車検の見積もりが20万円、30万円と出てくると、そのまま買い替えが頭をよぎります。結論を先にお伝えします。いくらを超えたら買い替え、という線引きはありません。金額より先に見るところが2つあります。その見積もりの中身が、いま必要なものかどうか。そして、この車にあと何年乗るつもりか。この2つが決まると、同じ20万円でも答えが変わります。
なぜ「いくらから買い替え」に答えが無いのか
同じ20万円でも、中身はまったく違います。タイヤ4本とブレーキをまとめて替えて20万円になった車は、そのあとしばらく大きな出費が来ません。いっぽう、あちこちが同時に限界へ近づいて20万円になった車は、来年また同じくらいかかることがあります。金額は同じでも、そのあとが違うのです。
もうひとつ、あと何年乗るかでも変わります。あと5年乗るつもりなら20万円は1年あたり4万円ですが、あと1年なら20万円のままです。同じ数字の重さが、乗る年数で変わります。
ですから「◯万円を超えたら買い替え」という数字は作れません。インターネットで見かける金額は、書いた方の車と、その方の事情での話です。
次の車に替えれば、車両代のほかに税金や保険、当面の維持費がかかります。いま必要な額を、乗る年数で割った数字。これを次の車の負担と並べてはじめて、比べられる形になります。
見積書を、2つに分けてみる
見積書は1枚に全部が混ざって載っています。まずは「いま必要」と「急がなくてよい」の2つに分けてください。分けるだけで、いま出す額は動きます。
その項目は、いまやらないと困りますか?
通らない・危ない
- ブレーキやタイヤなど、安全に関わるもの
- そのままでは車検に通らないもの
- 放っておくと他まで傷むもの
次回でもよい・別の話
- まだ残っている消耗品の、早めの交換
- 「そろそろ替えどき」という予防の提案
- コーティングや用品など、車検とは別のもの
分け方が分からなくても大丈夫です。項目を指して、「これは、いまやらないと車検に通りませんか?」と聞いてください。この一言で、ほとんどは仕分けできます。聞くのは失礼ではありません。説明する側は、この質問に慣れています。
「直さなくていいところまで直されている気がする」という不安は、この質問でずいぶん減ります。何を替えて何を残すかを決めるのは、お金を出すご本人です。
相談する相手は、みんなどこかの立場にいます
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。車検が高いと相談する相手は、たいてい何かを売っている側にいます。悪い意味ではありません。ただ、立っている場所によって、同じ1台の見え方が変わります。
- 新車を扱うお店:本業は新車を売ることです。だから「そろそろ乗り替えでは」という話が出やすくなります
- 車検を専門にするお店:車検そのものが本業です。だから「車検は通して、車はこのまま」という話になりやすくなります
- 買取店・中古車店:買うこと、売ることが仕事です。だから「その修理代を次の車に回しては」という話になりやすくなります
- 地元の整備工場:長く通ってもらうことで成り立ちます。だから直す方向に寄りやすくなります
「修理に20万円出すなら新しい車はどうか、と言われた」という話は、店頭でも伺います。言った側は、嘘をついていません。その人が立っている場所からは、本当にそう見えているのです。これを知っておくだけで、同じ言葉の受け取り方が変わります。
うちの場合を、そのまま書きます
では、うちはどこに立っているのか。先に明かします。うちも、最後にあげた「長く通ってもらうことで成り立つ店」と同じところに立っています。そのままなら、直す方向に寄りやすい立場です。ただ、古谷石油は車検も買取も両方やっています。直しても売っても仕事になるので、どちらかに寄せる理由がありません。ここが、うちのいまの立ち位置です。
体制も隠さずに書きます。
- 認証工場(分解をともなう整備をしてよい、と国から認められた工場)・指定工場の番号は持っていません。バッテリー交換やオイル交換のような消耗品・補器類の交換までを自社で行い、分解が必要な整備は、提携している認証工場に出します。検査を陸運支局へ持ち込むやり方もあります
- お預かりは標準3日です
- 診断は、国家資格を持つ整備士の確認に加えて、必要に応じてコンピューター診断も行います
買取のほうも書いておきます。ご来店でその場査定です(出張査定は行っていません)。査定するのは代表本人で、廃車・事故車・動かない車もご相談いただけます。ローンが残っている場合も、まずご相談ください。名義変更などの手続きも代行します。一括査定サイトには登録していないので、相談したとたんに複数社から電話が鳴ることはありません。そのかわり、うちは1社です。比べる相手がいないぶん、複数社を競わせたときのような額の伸び方はしません。そこも正直にお伝えします。売る側の話は車の査定で電話がしつこいのはなぜ?にまとめています。
古谷石油のひとこと
店頭でよく聞くのは「高いと言いたいわけじゃない。何にいくらかかっているのかが分からないのがしんどい」という声です。見積書をお持ちいただければ、どれがいま必要で、どれが次回でよいかを一緒に分けます。うちで車検を受けなくても構いません。分けたうえで「今回は替えどきかもしれない」となれば、そのときは売る側の話をします。
それでも、買い替えを考えたほうがよい場合
金額ではなく、これからを見て決める場面はあります。
- 同じような修理が、短い間隔で続いている。前回の車検も大きな額で、今回もまた、という状態は、そのあとも続きやすくなります
- 部品が手に入りにくくなってきた。取り寄せの待ち時間が延び、乗れない日が増えていきます
- 初度登録からおよそ13年になる(軽自動車は初度検査から)。この時期を過ぎた車は、車検のときの自動車重量税が上がる区分に入ることがあります。ただしエコカー減税の対象車など、上がらない車もあります。金額も車の重さや区分で変わるので、ここでは表を載せません。ご自分の車の次回分は、国土交通省の「次回自動車重量税額照会サービス」で調べられます(国土交通省 自動車重量税額について)
- 暮らしのほうが変わった。家族が増えた、通勤の距離が変わった。車が悪いのではなく、合わなくなっただけ、ということもあります
逆に、大きな整備を終えたばかりで、いま必要な項目が少ないのであれば、乗り続けるほうが落ち着くことが多いです。ふだんの手入れの考え方はエンジンオイル交換の「そろそろ時期」に、長く乗るための点検は夏の遠出・帰省の前の点検にまとめています。
決める前に、決めておくこと
3つ目が、いちばん効きます。その場で答えを出さなくてよいと自分に許しておくだけで、話の受け取り方が落ち着きます。安全に関わる項目でなければ、持ち帰って考えていただいて構いません。
車検も買い替えも、急いで決めるほど後から迷いが残ります。見積書を見て困ったら、そのまま持ってきてください。うちで車検を受けるかどうかは、そのあとの話です。ご相談はLINEが便利です。お電話は 0296-37-6355 まで。
よくある質問
車検の見積もりがいくらを超えたら買い替えですか?
金額での線引きはありません。同じ20万円でも、タイヤやブレーキをまとめて替えた20万円と、あちこちが同時に限界に近づいた20万円では、そのあとが変わるためです。まず見積書を「いま必要」と「そうでないもの」に分け、いま必要な額を、あと何年乗るつもりかで割って考えてみてください。
見積書のどこを削れるか、自分で見分けられますか?
項目ごとに「これは、いまやらないと車検に通りませんか?」と聞いてください。この一言でほとんどの項目は仕分けできます。聞くのは失礼ではなく、説明する側もこの質問には慣れています。何を替えて何を残すかを決めるのは、お金を出すご本人です。
13年くらい乗っていると税金が上がると聞きました。買い替えたほうがいいですか?
初度登録からおよそ13年(軽自動車は初度検査から)を過ぎた車は、車検のときの自動車重量税が上がる区分に入ることがあります。ただしエコカー減税の対象車など、上がらない車もあり、金額も車の重さや区分で変わります。ご自分の車の次回分は、国土交通省の「次回自動車重量税額照会サービス」で調べられます。実額を見てから考えるほうが確かです。
古谷石油は、車検と買い替えのどちらを勧めるのですか?
どちらにも寄せていません。当店は車検も買取も両方しているので、直しても売っても仕事になる立場です。だからこそ、どちらかに誘導する理由がありません。見積書をお持ちいただければ、いま必要な項目と次回でよい項目を一緒に分けます。
車検の整備は、全部お店の中でやるのですか?
いいえ。当店は認証工場(分解をともなう整備をしてよい、と国から認められた工場)・指定工場の番号を持っていないため、バッテリー交換やオイル交換のような消耗品・補器類の交換までを自社で行い、分解が必要な整備は提携している認証工場に出します。検査を陸運支局へ持ち込むやり方もあります。お預かりは標準3日です。
